コウモリ狂想曲

奥さんが血相を変えて、ドアを開けた。いったい、何が起きたんだ?

侵入

仕事が遅くなって、家に着いたのは12時過ぎ。奥さんには、先に寝ていてもらうよう、連絡をしておいた。風呂に入っていると、携帯か何かがバイブレーションしている音がして、しばらくしたら奥さんが血相を変えて、入ってきた。「バット、バット、何だっけ…?」。あわてて、日本語も出てこない状況。どうも、コウモリのことらしい。
欄間を空けておいたら、網戸にしていたにも関わらず、入ってきて、寝室の中を飛び回っているらしい。困った。とりあえず、虫網か何かを用意してもらうことにして、オレは、風呂からは急いで上がることにした。

捕獲

部屋に入ると、何かが高速で、部屋の中をグルグル飛び回っている。参ったね、目が覚めてこれじゃぁ、ビックリするのは確か。最初は、怖くて、布団を被って、オレの携帯を鳴らしたらしい。
おっかなびっくり、しばらく、様子を見て、とりあえず、電気を点けてみることにした。そうしたら心持ち、動きが鈍った感じ。同じ軌道で回転しているので、網を出したら自分から飛び込んだ。網の奥に何とか追い込んで、窓から放り出してやった。勘弁してくれよ。まったくさ。

出所

次の日、奥さんは、いつも通り会社に向かっていった。オレは、帰りが遅かったこともあり、いつもより遅め。でも、眠い。窓際にコウモリのか、ウンチらしきものを発見。
うちの建っているブロックは、一部が駐車場になって道路に向いて抜けて、コの字型になっている。奥の部分が、葉の生い茂った木のある公園になっていて、コウモリや鳥が結構いる。うちもその公園に接していて、そこのコウモリが、以前にも入り込んだことがあったと聞いていた。今回も多分、それなんでしょう。
お母さん曰く、戸袋の中に入っちゃったんじゃないの、とのこと。しかし、出てみたら、部屋の中だった、というのは、コウモリにとっても災難か。